おうち実験でハウスワーク

 蝉しぐれが降りそそぎ、夏の賑わいを感じる季節になりました。暑さもいよいよピークを迎えますね。この季節といえば夏休み。とはいえ、大人の方々にはまだまだお仕事が待っています。長期休暇前のバタバタや夏休み中のわが子の世話で満身創痍、おうちのことは何もする気が起きないなんで声も聞こえてきそう。実は、働いている人の約90%には「嫌いな家事がある」とのアンケート結果もあり、家事が大変だという思いを抱くのは皆さん共通のようです。
 そこで今回は、夏休み中のわが子に家事をお手伝いしてもらいながら、自由研究も進められる「おうち実験でハウスワーク」についてご紹介します。

お料理編

 お料理をする際に欠かせないのが卵、乳製品、肉、大豆などの「タンパク質」です。タンパク質は温度の高低や酸・アルカリ性、圧力などにより変化する特徴があります。


●タンパク質の凝固実験!おうちでカッテージチーズ作り

 カッテージチーズは脱脂乳で作るチーズで、世界最古のチーズとも言われています。爽やかな酸味が特徴でクセがないため、サラダやパスタ、パンなど幅広いお料理に活用できます。カロリーは控えめですがカルシウムやたんぱく質はしっかりと残っているのが嬉しいところです。

材料は、@牛乳_500ml A酢orレモン汁_大さじ2  B塩_1g

鍋に牛乳を沸騰させ、酢orレモン汁を入れて素早くかき混ぜます。ザルの上にキッチンペーパーを敷いて越し入れ、水気を絞り、塩で味を調えたら出来上がりです。酢とレモンでそれぞれ仕上がりが変化するのでお試しください。

●タンパク質の変性実験!温度変化でびっくりたまご

 鶏卵の白身は約78度、黄身は約65度で固まりますが、逆に凍らせた場合も卵白・卵黄の変化が起こります。そんな卵を温度変化させて観察してみましょう。

材料は、@卵_6個

卵2個をふんわりとラップで包み、保存袋に入れて冷凍します。残りの卵2個を茹で、茹でた卵のうち1個を冷凍します。一晩経ったら冷凍した卵を解凍して、茹でた卵と一緒に観察しましょう。冷凍した卵は食べることができます。冷凍中に割れて殻が中に入った場合は食中毒の危険があるので注意しましょう。

お掃除編

 おうちの汚れは油や皮脂の汚れなど様々です。皮脂やカビなどの酸性の汚れには弱アルカリ性の重曹を、水垢などのアルカリ性の汚れには酸性のクエン酸を使用すると、汚れが落ちやすくなります。

●手作りバスボムでお風呂掃除!

 バスボムは重曹とクエン酸、そして水を混ぜたときに発生する炭酸ガスを利用した入浴剤です。炭酸ガスには末梢血管を広げる作用があるため、血行促進に効果があります。

材料は、@重曹_30g Aクエン酸_15g B無水エタノール_少量

重曹とクエン酸を混ぜて、お好みでアロマオイルを数滴入れます。そこにスプレーで無水エタノールを少量加えながら混ぜ、少し湿らせたら型に詰めて乾燥させます。1日乾燥させたら完成です。お風呂に入れてゆったりしましょう。お風呂の後の水はそのままお掃除に使えますが、より効果を高めたい場合は、重曹大さじ3杯に水を大さじ1杯を混ぜてペースト状にしたものを使用すると良いでしょう。

洗濯編

 洗濯は「服についている汚れを洗剤と力で引きはがし水に移す」という作業です。汚れの種類は水に溶けるものと、油に溶けるものに分けることができます。洗剤に含まれる界面活性剤は水と油を混ぜ合わせて汚れを流すことができます。

●なにが落ちる?界面活性剤の仕組み

材料は@布_2〜4枚 A水_200ml B洗剤(粉)_5ml C紙コップ Dラー油 or ゴマ油

水だけのもの、水に洗剤を溶かしたものをそれぞれ紙コップに用意します。布2枚にラー油orゴマ油を1〜2滴つけて、それぞれのコップに入れてみましょう。反対に水だけのもの、水に洗剤を溶かしたものを入れた紙コップにラー油orゴマ油を入れて混ぜて布を入れた場合、布につく汚れがどうなるかを観察してみましょう。

 さて、今回は「おうち実験でハウスワーク」についてご紹介いたしました。自由研究というと難しいものだと身構えてしまいがちですが、日常のちょっとしたことでも見方を変えるだけでそこには好奇心を刺激するたくさんの謎が満ち溢れています。ミッフィーで有名な絵本作家のディック・ブルーナさんの言葉に「人はだれも、子どもの頃の素晴らしい思い出をスーツケースにしまい込み、人生という旅を続けています」というものがあります。大人にとっては忙しい夏ではありますが、子どもの夏休みのワクワク感を少しでも共有できれば、この夏も、きっと皆さんにとって素晴らしい思い出になることでしょう。ついでに、おうちの仕事も少しだけ楽しいものになることを願っています。
 元気に、楽しいおうち時間を過ごしましょう。



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